今更聞けない「油そばとまぜそば」の違い。知ってた?

油そばとまぜそばの違い。みなさんはご存知ですか?男性のみならず女性からも大人気のラーメン。日本で独自の進化を遂げたラーメン文化のその一角を担うのが、この油そばとまぜそばです。今更人には聞けないこの二つの違いを解説していきますよ。

「油そば」と「まぜそば」って何が違うの?

油そばもまぜそばも、みなさんそれぞれ聞いたことがあると思います。それぞれに専門店があり、人気を博しており、ランチのローテーションに組み込んでいるなんて方も多いでしょう。しかし、どちらも汁がないラーメンであることは何となく分かるけど、ではその違いは?と言われるとハテナとなる方もまた多いのではないでしょうか。

ということで、その違いとは何なのかを私と一緒に探っていきましょう。

まず油そばの起源から

それでは、まずはじめに「油そば」の方からそのルーツに迫ってみようと思います。念のために申し添えておくと「油そば(あぶらそば)」と読みます。「ゆそば」ではありませんよ。

「珍々亭」を発祥とする説

昭和32年(1957年)に創業した東京都の武蔵野市にある「珍々亭(ちんちんてい)」を、その発祥とする説が多いですね。店主の義姉に教えてもらった中国にある汁無しの和え麺料理「拌面(ばんめん)」をベースとした、汁無しのラーメンを提供したのがはじまりとするものです。

「三幸」を発祥とする説

もうひとつの説としては、東京都の国立市にある昭和28年(1952年)創業の「三幸(さんこう)」を発祥とする説があります。もともとは賄い料理として食べていた汁のない麺を、酒のつまみのメニューとして出したところ、これが評判となり広まったとするものです。

茹でた麺にタレと油を絡め、シンプルなトッピングをしたもの

この二説のいずれにしろ、昭和30年初期に多摩武蔵野地方で流行したのが発祥と言えそうです。それではその内容はどんなものなのでしょうか?現在の両店のメニューを見てみると、茹でた麺にタレと油、基本のトッピングはチャーシュー・メンマ・ナルト・もやしなどのシンプルなトッピング。これを混ぜ混ぜして食べるのが「油めん」です。

次に「まぜそば」の起源

さあ、次に「まぜそば」のルーツを探ってみましょう。果たしてその起源はどこに求めることができるのでしょうか?

正確な発祥は定かではない

これが残念ながら厳密にはハッキリとはしていないようですが、「ジャンクガレッジ」が初のまぜそば専門店となります。ジャンクガレッジは、つけ麺で人気のあの「六厘舎(ろくりんしゃ)」のセカンドブランドで2007年にオープンしました。

ラーメン評論家である大崎裕史氏の当時の記事を見ると、ブームが始まったばかりで明確な呼び名がないと述べていますので、このジャンクガレッジによって「まぜそば」という呼び名が広まったということができるかもしれません。

茹でた麺にタレや油などを用いて味付けし、様々なトッピングをしたもの

このジャンクガレッジの「まぜそば」の内容は、油そばと同じように茹でた麺にタレと油、さらに生卵、そしてベビースターやアブラ、ニンニク、エビマヨなどなど、それこそジャンキーな様々なトッピングが乗り、これをガッツリと混ぜて食べるものになります。

比較対決

続いてはこの油そばとまぜそば。ご紹介したそれぞれの店舗以外にこの名称をメニューに使用しているお店をいくつか挙げて浸透度を比較してみましょう(飽くまでも一例となります)。

茹でた麺にタレと油を絡め、その上にシンプルなトッピングをした「油そば」

その発祥とされる珍々亭と三幸。それ以外では有名所だと吉祥寺の「ぶぶか」ですね。私も若い頃によく行っていました。また、都内以外にもお店を展開する「東京油組総本店」。この市ヶ谷店はむかし仕事中のランチに通った覚えがあります。そして稲田に本店がある「武蔵野アブラ学会」。こちらの油そばもデフォルトのものはシンプルと言えるでしょう。

茹でた麺にタレや油などを用いて味付けし、その上に様々なトッピングを加えた「まぜそば」

それではジャンクガレッジが牽引した「まぜそば」はどうでしょうか?秋葉原の人気店「麺処マゼル」のまぜそばは二郎系のガッツリとした内容です。その他にもまぜそばをメニューとしているお店はありますが、ここで「まぜそば」と言えば名古屋めしでもある「台湾まぜそば」を忘れてはいけません。元々は同じく名古屋めしの台湾ラーメンをベースにしていますが、同時に「まぜそばブーム」に乗ったものとも言えると思います。

他にも「汁なし」「和えそば」「和え麺」「もんじゃそば」「手抜きそば」「あぶらーめん」などの呼称もある

そしてこの油めん、まぜそば同様に汁のないラーメンとしては、ラーメン次郎の「汁なし」、桜上水で人気を誇るあぶらー亭の「あぶらー麺」などなど、汁のないラーメンには様々な呼称があります。

店によって好みの呼び方を用いている

つまりそのお店お店によって、メニュー名としての表記は変わっているものの、どれもが「汁のないラーメンを指す」ということでは一致しているということです。ということは、油そばとまぜそばの違いとは何でしょうか?

結論

それではお待たせしました。ここまでの内容をまとめて、油そばとまぜそばの違いとは何なのか結論を述べたいと思います。

店によって好みの呼び方を使い分けている

まず、「油そばとまぜそば」は汁のないラーメンであるということ。そしてその汁のないラーメンは、お店によってそのメニュー名、呼称も様々にあるということ。つまりそれは、それぞれに大差はないということができます。

同じ意味合いだと思っていい

大差がないのであれば、油そばとまぜそば単に呼称が違うというだけで、広義の意味では同じものを指している。つまり、汁のないラーメンのそれぞれの呼び方であるということができるでしょう。

人によってはシンプルなトッピングのものだけを「油そば」と称する人もいる

ただし最後に付け加えておきたいのは、広義としては同じ意味と捉えても差し支えはありませんが、狭義の意味では、世の中の大まかな流れとして、シンプルなトッピングのものを油そば。そして様々にトッピングを乗せたものをまぜそば。このように分ける傾向もあるので、この点を踏まえておくと良いのではないでしょうか。

こんな「油そば」「まぜそば」はどうですか?

油そばとまぜそばの違い、そしてそれぞれのルーツなどを探ってきましたが、お腹が空いてきませんか?油そばやまぜそばが食べたくなっちゃっていませんか?ということで、そんな時に自宅でカップラーメンで簡単に油そばやまぜそばを再現する方法を最後にお伝えいたしましょう。

カップ麺で即席油そば(まぜそば)

  1. 野菜やお肉があればカップラーメンの袋のタレで炒める。
  2. 麺と具を湯戻しする。
  3. 湯戻し後にお湯を全て捨てる。
  4. 炒めた野菜やお肉を麺に乗せ、ごま油を回しかける。
  5. 生卵やゴマ、一味などをトッピング。
  6. お好みで酢も入れる。
  7. 味が足りなければオイスターソースなどで調整する。

これで、近くに油そばのお店やまぜそばのお店がなくとも、例え真夜中であっても、カップラーメンとちょっとした食材が冷蔵庫にあれば、即興であの味を楽しめますよ。

まとめ

油そばとまぜそばの違いに関しての疑問はこれで解決しましたか?油そばの方がメニューとして登場した歴史は古く、まぜそばは最近登場したということ。そしてこの二つは広義では汁なしのラーメンという同じ意味であり、狭義ではシンプルな具材が「油そば」、たくさんのトッピングが「まぜそば」。そう覚えておけば良いでしょう。それでは疑問が解けたところで、おいしい油そばやませそばをたっぷりとお楽しみください。